Rocket Lake! Core i7 11700 簡易ベンチマーク・レビュー
長かったIntel 14nmもこれでラストと言うことで、Rocket Lake-S の Core i7 11700(K無し)を買ってみたので、軽くベンチマークとってみました。Broadwell-Cから6年だって。引くね!
主にコーディングとかする用のサブPCとして作りました。WSL2とかDockerとか動かすのでRAM多め、ケースは前々から気になってたFractal DesignのEra ITXで組みました。
【主な構成】
CPU: Intel Core i7 11700 (Intel ARK)
CPUクーラー: noctua NH-D9L
マザーボード: ASRock Z590M-ITX/ax
メモリ: 32GB*2 (Corsair CMW64GX4M2E3200C16)
GPU: NVIDIA GeForce 1650 (ASUS PH-GTX1650-O4GD6)
SSD: CFD PG3VND 1TB
ケース: Fractal Design Era ITX
消費電力設定について
K無しのi7 11700ということでTDPは65Wですが、実際の消費電力はBIOSで変更できるPL1、PL2(単位: W)とTau(単位: 秒)の各値が大きく関係しており、CPUに負荷がかかるとTauの秒数を上限にPL2の電力を上限として動作し、その後はPL1の設定上限に移行します。PL2はスタートダッシュ的な感じですね。
それぞれ最大値なので、熱・電気的に余裕がない場合はこれより小さい値で動作します。
PL1はTurbo Boost Power Max (ターボブースト時最大電力)、
PL2はTurbo Boost Short Power Max (ターボブースト時短時間最大電力)、
TauはTurbo Boost Power Time Window (PL1移行時間枠) となっています。
この設定で大きく性能が変わるので、いくつかの値でベンチを取っています。
ベンチマーク
今回使ったASRockのマザーには Base Frequency Boost (BFB) というBIOS設定項目があり、これでPL1の値を簡単に変更できます。
BFBではPL2は無制限、Tauは56秒が固定となるようです。あとCPUコア電流制限の値なんかが最大に変更になってるっぽい。
【各設定値】
デフォルト: PL1=65W, PL2=224W, Tau=28sec(BIOS読みでは「自動」)
BFB 95W: PL1=95W, PL2=∞, Tau=56sec
BFB 125W: PL1=125W, PL2=∞, Tau=56sec
無制限: PL1=∞, PL2=∞, Tau=56sec
デフォルト | BFB 95W | BFB 125W | 無制限 | PL1=95W, PL2=125W, Tau=56sec | |
Cinebench R23 (Multi) | 9452 | 11155 | 12610 | 13769 | 11264 |
Cinebench R23 (Single) | 1507 | 1481 | 1509 | 1483 | 1506 |
Cinebench R20 (Multi) | 3800 | 4771 | 5124 | 5282 | 4256 |
Cinebench R20 (Single) | 568 | 566 | 574 | 564 | 578 |
R23 Multi時平均温度 | 62℃ | 71℃ | 76℃ | 87℃ | 71℃ |
ゲーム用としては使わないPCなので、ゲームベンチは無いです。ゴメンネ。
現時点で最新バージョンのCinebench R23は10分間回してのスコアとなるため、必然的にPL1制限下での動作時間が長くなりその辺がスコアに影響していますね。
R20はtau=56secだと7割方PL2の電力で動くので、BFB設定によるスコアの違いは小さいです。
PL2=∞だと、ちょっと重めのアプリを起動したときとかにちょくちょく温度が上がってファンの速度変動が激しくなり耳障りなので、実利用ではBFB 95WをベースにPL2を125Wに設定して使っています(表の一番右)。
K無しCPUなんで空冷で静かに使いたいと考えた場合、これぐらいの設定が上限かなーって感じです。
ちなみに無制限の場合、Cinebench R23ではオールコア最大ブーストクロックである4.4GHzに張り付いていましたが、パッケージパワーは最終的に190Wにもなり、温度も最大92℃とクソ高いです。
ただサーマルスロットリングは起こさなかったので、noctuaのNH-D9Lはコンパクトなのに優秀ですね。
なおBIOSではPL1は最大で140Wまでしかあげられなかったのですが、Intel Extreme Tuning Utility で無制限に変更できました。
Gear1/2について
Rocket Lake-SではDDR4-3200まで対応となりましたが、3200の場合Core i9 11900Kではメモリとメモリコントローラーのクロック比が1:1(Gear 1モード)での動作が可能な一方で、それ以外のSKUだと2:1(Gear 2 モード)が正式な対応となるそうです。
参考記事: ASCII.jp:Core i9-11900Kなど、Rocket Lake-SことデスクトップPC向け第11世代Coreが正式発表! (3/4)
ただ、今回使用したマザーだとこのモードは任意に変更可能で、BIOSで「DRAM Gear Mode」の値を「Gear 1」にすることで、11700でDDR4-3200でもGear 1動作が可能でした。
アイドル時消費電力について、11700を買う前に同じ構成でComet Lakeのi5 10400を装着していたのですが、やはり他のレビュー通り10Wほど上がっています。ワットモニター読みで10400が30W強、11700が40W強という感じ。
低消費電力にこだわりたい人はComet Lake世代の方が良いかも?
あとは前世代からの明確な進化といえばPCIe4.0対応ですかね。
Z590M-ITXはM.2スロットが2つあるのですが、M2_1スロットはRocket LakeでのCPU直結PCIe4.0の排他利用となっているらしく、これまでM2_2スロットに差していたものを差し替える必要がありました。かえなくてもチップセット経由で利用可能ではありますが。
噂では2021年秋頃に次世代の10nm Alder Lake-Sがでるということで、短命ってところに惹かれて()衝動買いしてしまいました。ローンチ時価格は性能に比して明らかに高いです。
i9 11900KでABT有効とかだととんでもないバカ喰いになるようですけど、IPC向上は偽りなくシングル性能は上がっており、電力設定をうまいことやればそこまで爆熱にもならないので、値下がりすればZEN3の代替として良い感じ、、なんですかね~?5600Xのほうがいいんじゃないかな
記事ここまで!