WiMAX 2+が炎上している!その理由とは・・・?
WiMAX 2+、持ち運びできて自宅でも外でも使えるインターネット回線として人気ですが、このWiMAX 2+がちょっと前から「炎上」しています。その原因はどこにあるのか、まとめました。
ある日はてブを見ていたら、以下のエントリーが大変な注目を集めていました。
集団訴訟! どうやらただ事ではないようです・・・。またこれ以外にもネット上にて「WiMAX 2+」に関する批判や罵倒の記事、ツイートが相次いで投稿されており、WiMAX 2+が「炎上」していることがわかります。・・・どうしてこんな事になってしまったのでしょう。
「ギガ放題」で月間通信量制限ナシをうたうWiMAX 2+。しかし・・・
現代のモバイルデータ通信には通信量制限がつきものです。たとえば大手3社、ドコモ、au、ソフトバンクのパケット通信料定額サービスでは当月の通信量が7GBを超えた場合、その月末まで通信速度が128kbpsに制限されます(データ容量を追加で購入することも可能)。またauでは、直近3日間に3GB以上の利用があった場合に速度を終日制限する場合があるとしています。
さてWiMAX 2+には2つの料金プランがあります。1つは「UQ Flat ツープラス」そしてもう1つは「UQ Flat ツープラス ギガ放題」です。2つのプランの違いは前述の携帯各社にあるような「7GB超えたら速度制限」の有無となっており、名前でわかるとおり「ギガ放題」プランにはこの制限がありません。
現在UQはこの「ギガ放題」プランを猛プッシュしており、「月間データ量制限ナシ」「超速インターネットをたっぷり使えて安心!」などと謳っています。その推しようたるや、下の画像のような感じです。
「ギガ放題」「月間データ量制限ナシ」と大きく書かれています。このLTE時代、「月間7GB制限」あるいはもっと厳しい制限は当たり前のこととなっており携帯各社も足並みそろえてこの制限を行っている中で、その壁を打ち破っていくらでもデータ通信ができるというのはWiMAX 2+、ひいてはUQ WiMAX最大のアピールポイントとなっているわけです。
でもちょっと待ってください! 画像を見ると、青い文字で何か書かれています。
混雑回避のための速度制限(3日間で3GB以上利用時)があります。
・・・そうこれが今回の「炎上」の最大の原因なんです。ギガ放題プランには「月間7GB」の制限はありませんが、「直近3日/3GB」の制限はあるんです。
3日間で3GB以上利用時の速度制限とは
「3日間で3GB以上利用時」の制限とは、直近3日間に合計3GB以上利用すると、その翌日の通信速度が1Mbpsに制限されるというものです。つまり、1日1GB以上使う生活を3日続けると、4日目に制限がかかり通信速度が1Mbpsになります。ただし、制限日に3GB(直近3日)を超えていなければ、5日目には速度は元に戻ります。次の画像はもっとヤバいパターンです。
直近3日間の合計通信量が3GBを下回ることがなければ、1Mbpsの通信制限はずっと続くものと思われます。
「でも3日で3GB以上も使うのなんてオタクとネット中毒者ぐらいでしょ?」と思われるかもしれません。ところが皆さん! openSUSE 13.2 DVD版のデータ量は4.4GBもあるんですよ! つまり、openSUSEをダウンロードしたら以降最低2日間は速度制限を食らってしまうんです。
それ以外でも例えば最近Apple Musicが始まりましたが、これの1曲の容量はだいたい7~8MB程度です。つまり1日130曲も聴く生活を続ければ、規制を受けるのは間違いないと言うことです。
十分な説明の有無
でもこの「混雑回避のための速度制限(3日間で3GB以上利用時)があります。」の文言、UQ WiMAX公式サイトのいろんな場所でみることができます。オンライン購入ページの料金プラン選択欄にも書いてあります。「ここまで書いてあって、契約してから文句を言うのは違うんじゃないの? よく見てないのが悪いんじゃないの?」と思われるかもしれません。
確かに「今は」あらゆるところでこの速度制限の注意がなされています。それではちょっと過去に戻って、2015年3月頃の公式サイトのアーカイブを見てみましょう。
「あの文言」が見当たりませんね・・・。他の部分を見ても、今ほどこの速度制限の説明が十分になされているとは言えない状態でした。
実際のところ、この直近3日/3GB制限が実施されたのは5月末からで、制限が行われること自体は以前から発表されていたんです。
それにも関わらずここまで炎上してしまったのは、やはりこの制限実施以前のWEBサイト等での説明が十分でなかったということ。これに尽きます。書かれていたとして文字が小さかったり、「月間データ量制限ナシ」などの謳い文句を前面に押し出しすぎたせいで、全く制限が無いかのようなイメージを与えてしまったということが、今回の炎上の主な原因だと考えられます。
[divider type=”thin”]
今回の問題に限らず、データ通信は、ベストエフォート表記や多額の違約金、自動更新などさまざまな問題を抱えています。消費者への説明は分かりやすく、正確に行う。この当たり前の行為が携帯各社やデータ通信販売業界にはどうも欠落しているような気がします。
僕もW01を所持していてWiMAX2+を利用しているのですが、普段は5Mbpsぐらい、制限を食らうと600Kbpsぐらいに落ちます。全く使い物にならないほどではありませんし僕の場合外出時にしか使わないのであまり影響はありませんが、UQ WiMAX利用者には自宅の固定回線の代替としてこれを契約している人も多くいます。従来のWiMAXでは制限が無かっただけに、今回の件での落胆が大きいのでしょう。
ここまでの大事になっている以上、UQコミュニケーションズは何らかの対応をしなければならないのではないでしょうか。
記事ここまで!