定額音楽配信サービスはまさに戦国時代でございます。AWA提供開始、Apple Music発表と来て、前々から発表されていたLINE MUSICの提供が開始されました。他サービスとの違いは? 収録曲数は? 価格は? さっそく使ってみてまとめました。

LINE MUSICとは

linemusic

LINE MUSICは、みなさんもおそらく一度は使ったことがあるであろうメッセンジャーアプリ「LINE」ブランドでLINE株式会社が提供する定額音楽配信サービスです。LINEとの連携機能を全面に打ち出しており、利用にはLINEアカウントが必要になります。

Google Play – LINE MUSIC

App Store – LINE MUSIC

公式サイト

プレスリリース

楽曲数

提供楽曲数はサービス開始時点で150万曲と発表しており、(AWAの出資元である)avexを含めソニー・ミュージックや(アイマスの)日本コロムビアなど大手レーベル会社等約30社と提携しているとのことです。

2015年内に500万曲以上に、2016年には3000万曲に増やすことを目指しているそうです。

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料金プラン

料金プランは割と独特なものになっています。

LINE MUSIC料金プラン
LINE MUSIC料金プラン

ベーシックプランとプレミアムプランが存在し、プレミアムプランは従来型の30日間聴き放題のプランです。一方、ベーシックプランは30日間のうち20時間だけ楽曲を再生できるというもので、MVNOのデータ通信プランみたいなやつです。20時間聴き終わってまだ聴きたい場合は、10時間ずつ追加することも可能です。それぞれのプランでの機能差はなさそうです。

無制限のプレミアムプラン1,000円、20時間/月のベーシックプラン500円となっており、10時間追加ごとに300円かかります。つまり、月に30時間までしか聴かないならベーシックプランのほうがオトクです。

また、若者の利用者が多いLINEらしく学割価格を提示しており、生年月日と在学中の学校名を入力して認証することで、プレミアムプラン600円ベーシックプラン300円(追加200円)となります。

LINEストアを通じてこれらプランのチケットを購入でき、自動継続も可能とのことです。

なお、6月11日から8月9日までの2ヶ月間は全機能を無料で利用できる「トライアルキャンペーン」を実施しています。登録してから2ヶ月というわけではなく、あくまで8月9日までのキャンペーンとなっているので、長く無料で使いたい方は早めに使い始めましょう。

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LINEとの連携機能

現在聞いている曲のリンクをLINEのトークやタイムラインに貼り付けて、直接再生できる連携機能があります(後述)。

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音質

モバイルデータ通信でも高音質再生が可能。
モバイルデータ通信でも高音質再生が可能。

他社サービスと同様に、「高」「中」「低」の音質を選択することができ、上から「320kbps」「192kbps」「64kbps」となっております。ファイルフォーマットが発表されていませんが、全く問題のない(定額音楽配信サービスとしては)高品質な出来になっていると思います。

モバイルデータ通信時でも高音質設定で利用することが可能で、キャッシュ機能もあります。

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対応デバイス

現時点ではiPhoneAndroidアプリの提供のみとなっています。他プラットフォームでの提供予定の文字は見つけることが出来ませんでした。

 

実際に使ってみた

(スクリーンショットはすべてAndroid版のものになります)

さっそくAndroidアプリをインストールし、使ってみました。

linem_top linem_playing

まず画面のインターフェースですが、非常にシンプル軽量であると感じました。個人的にはAWAより好みです。LINE MUSICにもAWAのようなプレイリスト機能はあるものの、AWAほどそれを前面に押し出すことはなく、あくまで検索による再生やトップ画面での新曲ピックアップをメインとしているようです。これはLINEによる強力なシェア機能があるからできることだと思いました。楽曲のディスカバリー(発掘)は友達同士のコミュニケーションやLINEでのシェアで補うことができるんですね。

ステータスバーを非表示にするデザインは賛否が別れると思いますが、単純に表示領域が増えていていいんじゃないでしょうか。再生画面もオシャレなフラットデザインでいい感じです。

楽曲の再生手段は前述のように検索とプレイリスト機能があります。プレイリストはテーマ別・ジャンル別に人気のものを表示することができるほか、「カラオケ」や「作業用BGM」などのトピック別のオススメプレイリストを表示するページがあります。ラジオ機能はありません。

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楽曲数は?

楽曲数に関してはAWAも随時増えていっているようなので、後日改めて(Apple Musicも出てから)比較したいと思います。例えば「西野カナ」はAWA提供開始当時なかったのですが、LINE MUSICで配信されていることを知って改めてAWAでも検索してみたところ、あちらでも配信されていました。

印象としては、AWAと同程度に頑張っているという感じです。最新のヒットアーティストはそれなりに押さえてあります。とはいえ未配信も多く、僕の好きなスピッツやコブクロは配信されていませんでした。

アニソンもAWAと大差ない感じで、アイマス曲も0曲でした。そもそもLINE MUSIC、AWAともにランティス(バンダイビジュアル)が提携発表していませんので、アニソンに関しては期待できないかも知れませんね。

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安定性はピカイチ

アプリはけっこう安定しています。動作自体も軽量で、今のところ強制終了もありません。さすがシェア日本一のメッセンジャーアプリを作っているだけはあると思います。KKBOX、AWA等他社サービスと比べてもサクサクと動作し、気持ちよく曲を選ぶことが出来ます。

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LINEでのシェアは便利

「トーク」中の再生ボタンをタップすると、そのまま楽曲を再生できる。
「トーク」中の再生ボタンをタップすると、そのまま楽曲を再生できる。

他サービスにはないユニークな機能である、「LINE」でのダイレクトなシェアはとても使いやすく、若者のウケもいいでしょう。楽曲再生中に右上の共有ボタンをタップして、LINE(トーク)を選択、その後にシェアしたい人をタップすることで、簡単に再生中の楽曲をシェアできます。

トーク相手がLINE MUSIC会員ならそのまま曲を再生できるほか、未登録でも30秒間のお試し再生が可能になっています。

コレこそがLINE MUSIC最大の強みでしょう。多くの日本人の利用するLINEでダイレクトに楽曲をシェアできる。月額最大1,000円払えばフルに曲を再生できるとわかれば、伝播的に会員を増やすことが出来そうです。

 

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まとめると、やはり一番いいと思ったのはアプリの安定性・軽快さでした。デザインも白基調で落ち着きがあり、使いやすいです。

LINEという強力な武器があるLINE MUSIC。楽曲数的にも、やや先攻のAWAと互角のサービスであると言えます。近日やってくる黒船「Apple Music」を前にどれだけのユーザーを獲得できるか、どれだけの楽曲を増やすことができるか。今後が楽しみです。