Fedora 22がリリースされました。先進的な技術や機能を素早く取り入れるのが特徴のFedoraらしく、GNOME 3.16やGCC 5.1など最新のパッケージが導入され、新パッケージマネージャ「DNF」の標準採用などかなり魅力的な仕上がりになっていると思います。インストールとちょっとしたカスタマイズの過程を、備忘録的な感じでまとめました。

注目すべき変更点

以下の記事をご覧ください。

Fedora 22 注目すべき変更点まとめ

インストール

Fedora 21から、Fedoraは3つのエディションに分かれています(Workstation, Server, Cloud)。デスクトップ用途で使用する場合は「Workstation」をダウンロードします。

ダウンロード先: https://getfedora.org/ja/workstation/download/

(Torrent): https://torrents.fedoraproject.org/

USBインストールメディア作成

以下のサイトでわかりやすく解説されています。

Arch Wiki – USBインストールメディア

実機・KVM両方で試しましたが、特にエラーや失敗は起こりませんでした。シンプルなGUIインストーラなので、特に迷うこと無くインストールできると思います。いくつかポイントを挙げておきます。

Btrfs

インストール先の設定時に「手動でパーティション設定を行う」にチェックを入れ完了ボタンで進み、手動パーティション設定でBtrfsを選ぶことで、Btrfsファイルシステムでインストールできます。単純ですがサブボリュームも自動作成されるようです。

fedora_install_01

fedora_install_02

ユーザー作成

ユーザーの作成設定時に「このユーザーを管理者にする」にチェックを入れておきます。

fedora_install_03

インストールが完了しても自動で再起動しないので、右上のメニューから再起動してください。

初期設定・カスタマイズ

とりあえず・・・

必要になりそうなものをインストールしておきます。

$ sudo dnf install vim

Btrfsまわりの設定

マウントオプション

/etc/fstabを開き、btrfsファイルシステムのマウントオプションを変更します。変更箇所は人によって異なります。(赤字: 追加部分)

#
# /etc/fstab
# Created by anaconda on Thu May 28 04:07:52 2015
#
# Accessible filesystems, by reference, are maintained under '/dev/disk'
# See man pages fstab(5), findfs(8), mount(8) and/or blkid(8) for more info
#
UUID=b8eb7ca8-099c-4630-b05e-787c79cca1bb /                       btrfs   subvol=root,noatime,discard,ssd,autodefrag,compress=lzo,space_cache     0 0
UUID=7cd1bb42-2939-4c7b-abe1-5ce2197d7e11 /boot                   ext4    defaults        1 2
UUID=b8eb7ca8-099c-4630-b05e-787c79cca1bb /home                   btrfs   subvol=home,noatime,discard,ssd,autodefrag,compress=lzo,space_cache     0 0
UUID=8ac730c6-d87f-4426-9cab-3a1ed7ee1a55 swap                    swap    defaults        0 0

設定後、再起動します。

圧縮

以下のコマンドを実行して、既存のファイルをlzoで再圧縮します。

$ sudo btrfs filesystem defragment -r -v -clzo

日本語入力

Fedoraにはデフォルトでかな漢字入力ができますが(libkkc)、かなりのオバカさんなのでmozcを導入しましょう。

$ sudo dnf install ibus-mozc

一度ログアウトしてからログインしなおし(もしくは再起動)、「設定」を開き、「地域と言語」の入力ソースを変更します。+ボタンから日本語→日本語(Mozc)を追加すればいいんですが、ちょっとした問題があります。

入力ソースを「Mozc」のみにした状態だと、GNOME Shellのトップバーにパネル(A/あ)が表示されず、不便です。しかしこれに「日本語」などを追加し入力ソースを2つにした状態で使用すると、Mozcに切り替えた時に直接入力になってしまい、これまた不便です。

ちょっと奇妙な設定方法ですが、以下の手順を踏むとGNOME Shellに入力ソースのパネルを表示させたままMozc単体で使用することができます。

GNOME Shellにパネルが表示されていない
GNOME Shellにパネルが表示されていない

設定方法

  1. 入力ソースを「日本語(かな漢字)」のみにする。
  2. GNOME Shellに入力ソースのパネルが表示されていることを確認する
  3. 入力ソースに「日本語(Mozc)」を追加する
  4. 「日本語(かな漢字)」を削除する

もっと良い設定方法があれば、教えてください!

GNOME Shellにパネルが表示され、かつMozc単体である。
GNOME Shellにパネルが表示され、かつMozc単体である。

他のディストリビューションでも有効な方法のようです(openSUSEで確認済み)。

ディレクトリを英語表記に

以下のコマンドを実行します。

$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update

Don’t ask me this againにチェックを入れ、「Update Names」ボタンをクリックします。

再起動後に同じことを日本語でもう一度聞かれるので、「次回から表示しない」にチェックを入れ、「古い名前のままにする」ボタンをクリックします。

fedora_dir_eng

RPM Fusion リポジトリの追加

以下のサイトから「RPM Fusion free for Fedora 22」と「RPM Fusion nonfree for Fedora 22」をダウンロードします。

http://rpmfusion.org/Configuration

以下のコマンドを実行します。

$ sudo dnf install ~/Downloads/rpmfusion-free-release-22.noarch.rpm ~/Downloads/rpmfusion-nonfree-release-22.noarch.rpm

SELinuxの無効化

SELinuxは扱えないしデスクトップ用途には必要ない、という場合は無効化してしまいましょう。SELinuxってなんやねんって人も無効でOKです。

/etc/selinux/config をテキストエディタで開き、次のように変更します。

SELINUX=enforcing

の部分を、

SELINUX=disabled

に。

GNOME Shellのカスタマイズ

以下の記事をご覧ください。

オススメのGNOME Shell Extensionsと導入方法

まだいろいろありますが、とりあえず一区切りします。わからないことがあればお気軽にコメントしてください!